わらべうた
当学園では、クラス活動や、姉妹級での活動の中で、わらべ歌遊びを日常的に取り入れています。
わらべ歌は、誰が歌い始めたのか分からない、子どもたちの歌。
日本語のイントネーションや日本の伝統文化を子ども達に伝えるための離乳食とも言える役割があります。
お手玉したり、まりをついたり、歌い遊ぶとき相手(人や道具)と間を取ったり、気持ちを合わせることで楽しく遊べます。そして、相手と呼吸を合わせるためには自分を律することが必要です。
合わせようという気持ちが心の中に育っていったなら、色々な遊びがもっと楽しくなるでしょう。
曲名♪「おじろ おじろ」
「年少さん、先生と一緒に指を一本一本動かせるかな?」
「年中・年長さん、大きくなったら指がピーンとのびたね。」
曲名♪「おつきさまえーらいの」
まんまるお月様みたいな紙風船。つぶさないように、やさしく隣のお友達に回します。
「そーっと。すこーし、緊張します。」
曲名♪「どんどんばしわたれ」
全身で、歌の拍を感じ、表現します。
コメント「みんなの気持ちがそろうと、きれいな円で歩けちゃう。」
曲名♪「ひーもろひもろ」
冬、クリスマスの前に、歌うわらべ歌です。
昔は、各家庭で火をおこしていたので、一度消えてしまうと大変でした。
ご近所さんに、火を貰いに行く…そんな原風景も年長さんにはお話します。
「火は大切なもの、きれいなもの、そして怖い(熱い)ことを体験します。」
「ドキドキしながら、火を貰って歩く。そーっとそっと。とても緊張。」
「無事にひとまわりして、誇らしげですね。」
わらべ歌は、手間ひまのかかる、けれども温かい子育てを実現する手助けとなります。
日本語を母国語として育つとき、大人にとっても子どもにとっても、耳にすっと馴染むので、自然の音程、しゃべりかけるようなメロディーが、子どもたちに自然に入り込み、安心感の中で感性を豊かに育てます。
わらべ歌になじんでくると、身体の中で拍が自然と取れるようになるので、日常生活の中に歌が寄り添い、わらべ歌という伝承文化となっていくのでしょう。
また、わらべ歌は子ども達にとって、生活に寄り添った素晴らしい教育的活動ですが、それだけではなく、一緒に歌う大人にとっては、子どもと上手にコミュニケーションを取り、一緒に遊ぶための子育て歌として長く残ってきたものです。
子どもの笑顔をよく見て、子どもの歌を優しい気持ちでゆったりと聞くことで、大人と子どもがじっくりと関わることができます。
もし、お子様が幼稚園で遊んできたわらべ歌を口ずさんでいたら、そっと聞き耳を立てて下さいね。
そして、一緒に歌ってみてください。子どもと共鳴する感覚をぜひ体験していただきたいと願っております。